ドライバー不足が進む物流業界、再配達問題のおさらい。

ドライバー不足が進む物流業界、再配達問題のおさらい。

弊社はTODOCUというサービスを展開しているが、これはテクノロジーを活用し再配達問題を解決したいという思いから開発に至った。

一方で、本記事をご覧の皆様のなかでは、

「そもそも再配達問題って何?」

「物流にはどんな課題があるの?」

という疑問をもつ方が一定数いらっしゃると考えている。

そこで、今回は改めて再配達問題をおさらいしようと思う。本記事で皆さんの理解が深まれば幸いである。

・宅配便取扱実績は増加傾向

国土交通省の宅配便取扱実績によると、2017年度は425133万個に達した。1989年に取扱個数10億個を突破した宅配便だが、2016年には40億個を超え、ほぼ10年間で10億個ずつ取扱個数が増加している傾向がある。そしてAmazonを筆頭に、近年のインターネット通販市場は拡大を続け、取扱個数は一段と増加している。

宅配荷物数1.3%増の43億個超へ。ヤマト運輸シェア減少、日本郵便増加。通販事業者の自社配送が拡大。

この記事では宅配便取扱実績の推移をグラフ化したものを参照しており、詳細に知りたい方はご覧頂ければ幸いである。

・ドライバー不足

宅配便取扱実績は増加の一途を辿るなか、2013年頃からドライバー不足が顕在化、ドライバーの有効求人倍率は常に3倍を超える状態が続いている。

ドライバー不足はその高齢化にもつながる。貨物運輸業では就業者の約4割が50歳以上になっているとの統計もあるそうだ。そんななか全日本トラック協会のアンケートによると、2017年は労働力の不足感を実感している声が約75%にものぼった。この生々しい現場の声は悲惨な状況を物語っている。

・“再配達”問題

その状況下、宅配業者を悩ませている大きな問題が“再配達問題”だ。インターネット通販の増加により、家庭向けの宅配が増加するなかで、受取人不在による再配達の増加は配達効率を著しく悪化させている。物流のラストワンマイルにおいては配達完了して報酬が発生する。つまり再配達は無駄な労働時間や燃料費の増加といったコスト面、受取人や配送員のストレスといった悪影響を及ぼすのである。

ヤマト、4〜9月期の営業益昨年比約8割減。

取扱個数の増加による事業拡大は、ドライバーの労働量増加や再配達による長時間労働につながり、ドライバー不足に拍車を掛ける。そして、ドライバーが不足することで一段と労働量が増加し、長時間労働となる“負のスパイラル”現象である。上記の記事にもまとめた通り、この現象を止めるべくヤマト運輸は”運賃値上げ”や”戦略的な配送品の絞り込み”、”採用増や外部委託”に取り組んだが、これが仇となり苦しい経営状況が続いている。

・コスト、労働面、環境面で再配達問題解消が望まれる

全日本トラック協会によるとトラック運送業者のコスト構造は、人件費・燃料費が約55%を占める。再配達問題が解消されれば、コスト削減による大きな利益獲得に直結する。しかしそれだけでなく、先述した労働時間の短縮は労働条件も改善に大きい効果がある。改善により、現場の労働力の不足感解消も期待される。

また、無駄な燃料を使わないという省資源活動にも大きな意味合いをもつ。燃料である軽油は2016年からコストが上昇しているので省資源活動は必須であり、かつ環境問題という継続的な社会問題に対しても省資源活動は重要だ。

・最後に

利用者の中には、“再配達は当たり前”という気持ちもあるだろう。しかし国土交通省によると、再配達に必要な労働力は年間約9万人分に相当すると試算されている様だ。また、再配達による走行距離の伸長率から算出したCO2排出量の増加は年間418,271 tに及んでいる。これはスギの木約1億7400万本分の年間CO2吸収量にあたり、環境への負荷は見過ごせない。

再配達問題の解消はコスト面・労働面・環境面すべてにメリットがある。もはや社会問題として捉えても遜色は無く、だからこそ改善活動が望まれることを本記事から感じ取っていただけたら幸いである。

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